思春期の月経前症候群(PMS)
公開日:2016/07/04
最終更新日:2025/05/12

この記事を監修したドクター
子どもと女性のための病院と研究所国立成育医療研究センター
月経前症候群(PMS)とは、生理(月経)が始まる3~10日前からいろいろな精神症状・身体症状が始まり、生理が始まると軽くなったり治ったりするものです。月経のある女性の7~9割が何らかのPMS症状があり、1~3割に治療が必要なほどの症状があるといわれています。症状は、イライラする、怒りっぽくなる、集中力が低下する、気分が落ち込む、食欲増加、腹痛、腰痛、頭痛、頭重感、肌荒れなど多様です。中でも精神的な症状が中心で症状が重い場合は月経前不快気分障害(PMDD)といいます。
不調の原因は生理(月経)にあることも
思春期では初潮(初経)から数年は生理の周期が不規則なことも多く、体調不良の原因が生理と関連があると気づかずに不安になってしまうことがあります。頭痛や腹痛、気分の変化が周期的に起こる時は、生理の時期と関係がないかチェックしてみると良いでしょう。
症状改善のために
症状の改善のために自分でできることとして、まずは生活習慣、食事の見直しや適度な運動などがあります。毎日規則正しい生活リズムを心掛け、夜更かしをせずに睡眠をしっかりととりましょう。食事では炭水化物やたんぱく質に加え緑黄色野菜や食物繊維も摂取しバランスのとれた食事を心がけましょう。
症状がつらい場合は、婦人科での相談をお勧めします。婦人科ではどんな症状があるか詳しくお話を聞き、対策を一緒に考えていきます。「内診があるのでは…」と不安に感じることもあると思いますが、ご本人の状態や希望に合わせて診察を行いますので、診察の最初にお伝えください。おなかの上からの超音波検査による診察や、必要に応じて血液検査などを行うことがあります。
薬物治療として鎮痛薬、漢方薬や低用量ピルを使用することがあります。薬物治療で症状が軽くなることも多いですので医師と相談してみましょう。
つらい時は婦人科に相談を
思春期の月経困難症(PMS)や月経前不快気分障害(PMDD)は勉強や部活、受験など、生活に大きな影響を及ぼす場合もあります。生理と関係があると気付かず、誰にも相談できないまま一人で悩んでしまうことも珍しくありません。保護者の方や周囲の大人の方々が辛さを理解し、手助けしてあげることも大切です。また、不調を感じたら我慢せず、婦人科に気軽にご相談ください。思春期の方も多く受診されています。
月経前症候群(PMS)について詳しくは「月経のトラブル」の中の「月経前症候群」もご覧ください。
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