過呼吸(過換気症候群)

公開日:2016/07/04

最終更新日:2024/06/27

国立成育医療研究センター

この記事を監修したドクター

子どもと女性のための病院と研究所国立成育医療研究センター

共著:絹巻 暁子 先生

過呼吸は、何らかの理由で過剰に息を吸ったり吐いたりすることで、頭痛やめまいなどの症状が現れることをいいます。

過呼吸ってどんな疾患?症状は?

わたしたちは、息を吸うことにより空気中の酸素を肺から体内に取り込み、息を吐くことにより体内で発生した二酸化炭素を肺から体外に排出しています。これを「呼吸」と呼びますが、過呼吸によって呼吸のリズムが過剰に早くなったり深くなったりすると、二酸化炭素が過剰に排出され、血液中の二酸化炭素濃度が低下してしまいます。
過呼吸の症状は、次のようなものがあります。
・手足などのしびれ
・頭痛
・呼吸困難
・動悸
・めまい

過呼吸は、頭痛、腹痛といった痛みや、嘔吐、不安などによって引き起こされることもありますが、原因がはっきりせず突然発症することもあります。10~20代の女性に多く、数分から長くても1時間以内に自然におさまることがほとんどです。

対応は、まず落ち着いて「腹式呼吸」!

過呼吸の最中はパニック状態に陥ってしまうことがありますが、生命の危険はありませんので落ち着いて対応しましょう。
腹部に手を当てて腹式呼吸を意識し、「4秒かけて息を吸い、数秒止めて、8秒かけて息を吐く」といったゆっくりとしたリズムの呼吸を10回程度続けていると過呼吸はおさまってきます(つまり1分間に3~4回の呼吸で十分です)。
本人だけで対応するのは困難なことが多いため、周囲の人にそうした呼吸を促してもらえることが理想的です。救急車で病院に搬送されることもありますが、多くの場合、発作は1時間以内に治まります。

過呼吸に対する不安が強い時は、心療内科へ

過呼吸を繰り返したり、再び起こしそうで不安な場合は、日ごろから上記のような腹式呼吸を数分間、1日1~2サイクル行うよう習慣化しておくと、いざ過呼吸になった際に取り組みやすいです。また、不安も軽減されるため過呼吸の頻度が減ったり、程度が軽くなったりすることが期待できます。
頻度や程度がなかなか改善しない、過呼吸に対する不安が強いなどの場合は、心理カウンセリングや心療内科の受診を検討しましょう。自分のこころとからだに起こっていることをどのように受け止め、対応していくとよいのかアドバイスを受けることができます。

もっと知りたい! ドクター監修の記事を続けて読む