若い頃からの認知症予防

公開日:2021/09/30

最終更新日:2024/08/05

亀山 祐美 先生

この記事を監修したドクター

東京大学大学院医学系研究科老年病科特任講師亀山 祐美 先生

共著:平池 修 先生

認知症は、生活習慣を整えることで予防につながることがわかってきました。
高齢者になってから予防するよりも、40代など若い頃からの食習慣、運動習慣が認知症リスクの低減につながります。

さまざまなことに興味関心を持つことが認知症リスクの低減に効果的

  1. 食事
    魚と緑黄色野菜をたくさん食べる人は、認知症になりにくく、油物や甘いものを好んでたくさん食べる方は認知症になりやすいという疫学データがあります。地中海食や和食のようなバランスの良い食事が理想です。ちなみに、現段階で認知症予防効果があるとして推奨されているサプリメントはありません。
  2. 運動
    定期的な運動習慣や、有酸素運動が認知症予防に効果的です。
  3. 生活習慣病の管理
    糖尿病・高血圧・脂質異常症を予防し適切にコントロールをすることで認知症予防にもつながります。特に中年期の肥満、高血圧は認知症の危険因子になっています。
  4. 禁煙・軽く飲酒
    喫煙と多量飲酒は認知症の危険因子となっており、禁煙を心がけましょう。多量の飲酒は避け、飲酒する際もほどほどにすることが推奨されます。
  5. 聴力
    中年期の難聴は認知症の危険因子となっており、補聴器の使用などによる改善によって8%認知症が予防できると予測されています。
  6. 認知トレーニング
    記憶力のトレーニングや認知機能を刺激するトレーニングは、お勧めです。
  7. 社会活動
    社会参加で社会活動を行うことは、認知症の予防につながります。

これらの項目をいくつか組み合わせて、仲間と一緒に取り組むことで長く続けていきましょう。
高齢になってから急に食習慣や運動習慣を改善することは難しいことから、40代の若い頃から生活習慣を整え、仕事ばかりでなく年をとり足腰が弱くなってもできるような趣味(読書、塗り絵、ボードゲームなど)も含め楽しみながらさまざまなことに興味関心を持つことが認知症予防の秘訣です。

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