Q.「葉酸は飲んだ方がよいでしょうか?」
この記事を監修したドクター:国立成育医療研究センター
最終更新日:2025/4/2
妊娠初期に葉酸が不足すると胎児の神経管閉鎖障害(NTD:neural tube defects)、二分脊椎、脊髄髄膜瘤などの病気のリスクが高まることがさまざまな研究で示されています。
葉酸はほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜にも含まれていますが、水溶性ビタミンで加熱処理に弱く、日本人の食生活では不足しやすいと考えられています。そのため、世界各国で妊娠を希望する女性に対してサプリメントなどの栄養補助食品からの合成葉酸摂取に関する勧告が出されており、2000年に旧厚生省からも妊娠前から食品からの摂取に加えて栄養補助食品から1日 400μg (0.4mg)の合成葉酸を摂取することが勧められています。
高用量(1日1㎎以上)の葉酸摂取はビタミンB12欠乏(悪性貧血等)の症状を隠してしまう可能性があり、医師の管理が必要な場合を除き、葉酸摂取量は1日1㎎を超えないようにします。複合ビタミン剤のなかには、ビタミンAなど妊娠中の大量摂取は避けた方がよい成分が含まれている場合もありますので葉酸単独か葉酸を含んだ妊婦さん用のサプリメントの使用が勧められます。
注:すべての神経管閉鎖障害が葉酸の摂取不足でおこるわけではありません。
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